こちらはマスコミの注目も高く、多くの報道機関で取り上げていただきました。自治体の子育て支援というものがいかに関心が高いのかということがわかります。都市部、政令市などに比べると郊外の一般市はどうしても難しいところもあります。市議会では様々な提案が行われていますが、執行部の答弁は「近隣他市の動向を見ながら…」などどうしても「横並び」意識が強いなあと感じることも多いです。今回の取り組みは「県内初」ということで注目を浴びました。この取り組み一つでも、多くの方に「宗像市は子育て支援に力を入れている」というPRになったのではないかと思います。
令和 6 年 4 月23日 宗像市子ども育成課 報道発表資料(プレスリリース)より
宗像市では、すべての子ども・子育て世帯を社会全体で応援するため、「子どもにやさしいまちの実現」に取り組んでいます。取り組みの一環として、令和6年5月10日より、福岡県内では初となる、病児保育のお迎えサービスを開始します。
このサービスは、保育所等に通っている子どもが発熱など体調不良になったときに、迎えが困難な保護者に代わって、病児保育室の看護師や保育士がタクシーで迎えに行き、保育室で一時的にお預かりするものです。
共働き世帯の増加に伴い、子育てと仕事の両立は、大きな課題となっています。このサービスにより、保護者の負担が軽減され、働く場所や時間の選択肢が広がるとともに、子どもたちがいち早く医療ケアを受けることができるようになります。
令和4年第4回定例会(12月)一般質問にて子育て支援に関する取り組みを行っています。
全ての子どもに行政のサポートを
平成15年9月に施行された少子化社会対策基本法前文には、「我が国における急速な少子化の進展は、平均寿命の伸長による高齢者の増加とあいまって、我が国の人口構造にひずみを生じさせ、二十一世紀の国民生活に、深刻かつ多大な影響をもたらす。我らは、紛れもなく、有史以来の未曾有の事態に直面している。しかしながら、我らはともすれば高齢社会に対する対応にのみ目を奪われ、少子化という、社会の根幹を揺るがしかねない事態に対する国民の意識や社会の対応は、著しく遅れている。少子化は、社会における様々なシステムや人々の価値観と深くかかわっており、この事態を克服するためには、長期的な展望に立った不断の努力の積重ねが不可欠で、極めて長い時間を要する。急速な少子化という現実を前にして、我らに残された時間は、極めて少ない。」とある。また同第4条には、「地方公共団体は、基本理念にのっとり、少子化に対処するための施策に関し、国と協力しつつ、当該地域の状況に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。」とある。令和4年度施政方針における基本政策の3つの柱のひとつとして「もっともっと教育・子育て環境の充実を図ること」が掲げられている。市独自の子ども、子育て世代への支援が「定住都市むなかたの実現」の達成につながると思われる。そこで、以下のことについて伺う。
質問(1)施策の所得制限について
①就学援助の対象者は「生活保護世帯、生活保護世帯に準ずる程度に困窮していると認められる世帯」とあるが、具体的にどのような条件か。
就学援助の基準についてお答えをさせていただきます。
今、議員から御紹介ありましたように、就学援助の支給対象については、生活保護世帯、それから生活保護に準ずる程度に困窮していると認められる世帯というのがございます。
まず、生活保護世帯につきましては、生活保護法に基づく生活保護の受給を受けている世帯となるため、基準については生活保護の制度と同じ基準となります。
次に、生活保護に準ずる程度に困窮していると認められる世帯については、詳細の基準というのは家庭の構成や状況によって異なりますが、通常学級の場合は、受給者と同一生計の扶養義務者の前年の合計所得額が、生活保護の基準の1.2倍以下、特別支援学級では2.5倍以下との基準を設け審査を行っております。
②令和4年6月(10月支給分)から児童手当制度が一部変更になり、特例給付に所得上限限度額が設けられた。本市での対象者の状況は。
令和4年11月1日現在、児童手当・特例給付を含めた受給者は6,799人、対象児童は1万1,660人です。6月の制度改正により受給資格を喪失した人は192人、対象児童は316人でした。
③上記以外に本市の子ども、子育て世代対象の施策で所得制限がかけられているものがあるか。
児童手当以外に所得制限がかけられているものとして、ひとり親家庭が受給できる児童扶養手当がございます。この手当は、母子・父子世帯等の生活の安定を図り、自立を促進することを目的とする国の制度で、所得制限がございます。
④子育て世代の負担軽減が少子化対策につながると考えられる。所得にかかわらず、市内全ての子ども、子育て世代を対象とした支援が求められているが市はどのように考えるか。
国の制度である児童手当や児童扶養手当に、市独自で所得制限を外して給付することは現実的に難しいと考えております。手当以外の子育て支援の制度として、子ども医療費支給制度がございます。中学生以下の児童が、通院・入院した際の窓口負担分を一部給付する制度で、県では所得制限がございますが、市では県の所得制限額を超え、受給できない世帯分について市単独で給付を行っております。また、県の制度では、小学生の通院時は1医療機関ごとに1,200円の窓口負担となりますが、県の制度に上乗せする形で市単独で助成し、800円の窓口負担としているところです。このように、現金給付ではございませんが、所得にかかわらず、全ての子どもが安心して子ども医療を利用できるよう支援を行っているところです。
質問(2)大島・地島の保育状況について
①市立大島へき地保育所の運営状況は。
大島へき地保育所の運営状況ですが、令和4年4月1日現在、2歳児から5歳児までの16人の園児が保育所に通園しており、園長を含む5人の職員体制で運営を行っております。
②玄海ゆりの樹幼稚園地島分園の運営状況を把握しているか。
玄海ゆりの樹幼稚園地島分園の運営状況です。令和4年4月1日現在、4歳児1人が通園しています。園長と副園長を含む3人の職員体制ではありますが、園長と副園長は本園と兼務のため、実質職員1人で保育を行っている状況です。
③大島・地島の未就学児の保育について、市はどのように考えるか。
④離島は若年層の流出と少子化による子どもの減少が続いており、高齢化に一層の拍車がかかっている。大島・地島の保育環境の充実が離島の活性化、人口減少対策につながると思われるが市はどのように考えるか。特に、市立大島へき地保育所では2歳未満の保育を行うべきではないか。
③④関連がございますので一括してお答えします。
大島・地島の保育環境につきましては、それぞれの島の状況を勘案しながら環境を整備していく必要があると考えております。保育環境が充実することで、子育て世代が島へ移住することも考えられ、議員御指摘のとおり、島の活性化への一端となると考えます。
大島においては、2歳未満の保育について要望があることは承知しておりますが、保育士の確保が難しく、なかなか進んでいないのが現状です。現在は、大島へき地保育所の園長先生や大島の子育て中の保護者と情報交換会を開催し、意見交換や情報収集を行いながら、保育所での一時預かりや住民同士でできる子育て支援がないかなどについて協議、検討を進めているところです。また、あわせて、保育士の確保や保育を提供できる環境整備について継続的に協議を行っているところです。