宗像市には教育大前駅、赤間駅、東郷駅の3つのJR九州の駅があります。令和6年3月のダイヤ改正で、教育大前駅は博多方面の本数が1日57本から50本になり、日中の1時間当たりの本数が3本から2本と約33%減となってしまいました。また、博多駅から小倉方面の普通・快速列車は10時から15時台において1時間あたり5本のうち2本が福間駅行きとなっており、40%が本市へ直通しておらず、大幅に利便性が低下しています。
公共交通の要である駅は地域活性化、まちづくりの重要な拠点であり、利便性の低下は市民生活に大きな影響を与えていると考えています。
市内の三つの駅ですが、決してそんなに寂れた駅ではありません。JR九州公式サイトに掲載されている2022年度の駅別の上位300駅の乗降者数によると宗像市の三つの駅は、赤間駅が20位、東郷駅が40位、教育大前駅でも80位です。この三つの駅を足すと乗車人数は1万4,040人となり、熊本駅や吉塚駅に匹敵するぐらいの利用があっています。そして、当然博多方面や小倉方面、遠距離に通勤・通学される方が多いと思いますので、運賃収入にも非常に貢献しているのではないかと、私は考えます。
宗像市の執行部もこの状況に対し「市民からもダイヤに関して改善を求めるというのが寄せられている。市としても、令和4年9月のダイヤ改正後は、利便性の低下、公共交通への転換の妨げになっていると考えている。」との答弁があっています。
JR九州定時株主総会の資料からですが、これが上位10位の株主はJR九州をふだん乗っている方とは、ほぼ関係がない会社なのではないかなと思います。外資系の証券会社であるとか、銀行、生命保険会社、そして連携ということで、ほかのJR各社の方が株を持たれてます。こういう方が、沿線の利便性であるとか、そういったことまで気にかけてくれるんだろうかと、私は非常に疑問に思います。
昨年3月末現在の有価証券報告書ですが、特に外国法人等、これでも減っているんですけど、大体20%ぐらいの方が海外の方の株主です。これは、JR九州が非常に企業として優秀で、配当性向も高くて、株を持っていれば損しませんよと、そういったところに魅力を感じているのではないかと思います。
今回地方公共団体として株を持つのはいかがですかという提案なのですが、既に四つの地方公共団体が株を持っていらっしゃいます。どちらかというと、赤字ローカル線を抱える宮崎県の自治体であるということで聞いていて、677単位ということで、そんなに多くの株を持たれているわけではありません。赤字ローカル線を廃止させない、やはり意思表示として持っているんじゃないかと思います。
昨年暮れから今年の春にかけて、岡山県の真庭市が、JR西日本の株式取得を表明して、今年度の予算に計上されておりました。JR西の株式取得を含めたJR利用促進事業に1億1,017万円を計上されているということです。この予算は通りまして、実際にこれから株を取得されていくんだろうと思います。
民間企業に自治体として、お願いして、一定程度は沿線自治体としてお話は聞いていただけるかと思うんですが、口だけ出すのではなくて、経営に参画させていただくということで、株を取得するのは非常に有効であるのではないかと思います。今回非常に前向きな答弁をいただいたので、ぜひ実現に向けて検討を進めていただきたいと思います。
例えば100万株取得した場合、大体持ち株の比率が約0.6%ぐらいです。大体34億円程度かかります。ただ株の場合は、お金を使って終わりではなくて、そのまま資産として残ります。100万株持っていると、毎年9,300万円の配当収入があります。これを使って、例えばJRを使って遠方に通学する高校生であるとか大学生に、定期券の補助を出すとか、そういったことも考えられるのではないかと思います。JR九州と連携して、株を取得し、その配当については、さらに市民の方に還元して、JR九州の経営に生かすようにしていくと、非常にこういったのが有効ではないかと思います。
やはり駅、電車の利用が不便になると、皆さん足が遠のきます。今は鉄道を利用するしか選択肢がない若い方が鉄道は不便だというふうなイメージを持ってしまうと、これから先、鉄道を利用されなくなってしまうと思います。市民の皆さんのために、JR九州と連携して利便性を高め、JR九州をしっかり利用していただいて、駅を中心としたまちづくり、そういった中で宗像市のまちづくりをしていただきたいと思います。
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令和6年第2回宗像市議会定例会発言より引用
質問(1)鉄道の利用、駅を中心とした地域活性化・まちづくりについて、市はどのように考えているのか。
答弁(1)鉄道の利用、駅を中心とした地域活性化・まちづくりについてでございますが、交通結節点である鉄道駅を生かし、都市機能が集積する拠点を形成することは、利用者の利便性が向上し、公共交通の利用増加につながるものと考えております。
しかしながら、平成29年に実施されましたパーソントリップ調査での本市における市民の移動実態は、自家用車分担率で62%、バス分担率で2%、鉄道分担率で14%となっており、公共交通の分担率が低いという現状があり、自家用車の分担率を下げることが課題であると認識しております。
今後は公共交通への転換を進めるため、利便性を高め、コンパクトプラスネットワークの取組を進めてまいります。
質問(2)沿線自治体としてJR九州とどのように連携しているのか。現状と課題、今後の対応は。
答弁(2)沿線自治体としてJR九州との連携についてでございますが、令和5年3月のダイヤ改正で、赤間駅に特急ソニックが毎時間停車するようになったことを契機に、JR九州と連携して、特急列車の利用促進事業むなかた・別府ミニデスティネーションキャンペーンや、市民の地域公共交通への機運醸成のために、地域公共交通シンポジウムを開催しました。
また、JR利用を増やすための取組といたしまして、JR九州ウオーキングも実施しております。
今後もJR九州と連携し、利用者の増加につながる効果的な利用促進事業を展開していきたいと考えております。
また、本市だけでJR鹿児島本線の利用促進事業の取組を実施していくにも限界がございますので、より効果的な事業が展開できるよう、沿線自治体とも連携した取組について意見交換を行ってまいります。
質問(3)JR九州の株式を取得し、株主として責任ある立場での連携強化を行えないか。
答弁(3)JR九州の株式を取得し、株主として責任ある立場での連携強化についてでございますが、議員御提案の株式を取得することについては、JR九州との連携強化につながるものであり、検討すべき政策課題であると考えております。鹿児島本線全体の利便性の向上に向けて、今後も近隣自治体と意見交換を行いながら検討を進めてまいります。
あわせてJR九州と密な関係を構築していくため、職員をJR九州から派遣していただいており、人と人によるフィジカルな連携の下、JRの利用促進や駅周辺のにぎわいづくりなどの取組を強化していきます。