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令和6年第3回定例会(9月)一般質問を行いました。

質問(1)「宗像市文化芸術のまちづくり10年ビジョン」の現状と課題、今後の対応は。
答弁 平成23年4月に策定した10年ビジョンは、コロナ禍の影響で、現在、リビジョンという形で4年間延長し、運用しています。これまで市は、公益財団法人宗像ユリックス、宗像市文化協会など関係団体とも連携し、宗像ユリックスでの鑑賞・体験機会の提供、文化芸術活動の担い手への支援などを行ってまいりました。
しかしながら、その一方で、課題としましては、10年ビジョンが掲げます展望のように、文化芸術が市民全体へ広く浸透している状況にまでは至っていないことが挙げられます。また、今後は、eスポーツなど以前では想定できなかったコンテンツへの柔軟な対応や、中学校部活動の地域移行への支援といった新たなニーズへの対応、市が掲げる子育て世代に選ばれるまちを踏まえた文化芸術、にぎわいづくりの取組を宗像ユリックスとともに推進していく必要もあります。このようなことを踏まえまして、今後における本市の文化芸術の将来像や取組について、宗像市市民文化・芸術活動審議会で議論を進めているところです。

追加質問 「小学4年生音楽鑑賞事業」の実施の検討は。
答弁
 小学4年生芸術鑑賞事業ですが、少し内容を説明いたしますと、子どもの頃から本格的に文化芸術に触れることが重要という考えの下、出前授業の後、宗像ユリックスハーモニーホールで九州管楽合奏団演奏会を鑑賞するという事業でございましたが、事業開始から9年が経過した時点での事業見直しで、宗像ユリックスが当時アウトリーチ事業として実施していた、いきいき出前コンサートと競合しているとの判断で廃止に至ったものでございます。しかしながら、現在では、宗像ユリックスの事業見直しで、従来のアウトリーチからユリックスに足を運んでもらうための施策に転換するということに取り組んでおりますことから、小学4年生芸術鑑賞事業の再開に向けて、文化芸術活動審議会で審議中のアクションプランに記載をしているものでございます。

質問(2)地方自治体としてコンテンツ産業の取組はどのようなことが考えられるか。
答弁 
出版業、印刷業、映画・ビデオ制作業、放送業、広告代理店業等のコンテンツ産業は、その経済効果やクリエーターらが本市の文化芸術活動に与えるインパクトが非常に魅力的だと考えています。今後、これらの企業等から市内への進出や連携の相談があれば、積極的に支援・協力を行ってまいります。

(3)フィルムコミッションの取組は。
答弁 
フィルムコミッションは、映画やテレビドラマ、CMなどのロケーションを誘致し、撮影が円滑に進行するようサポートする非営利団体です。本市には独自のフィルムコミッションはなく、ロケ地の誘致活動については、福岡都市圏17市町を範域とした福岡フィルムコミッションを通して行っています。なお、本来のフィルムコミッションとは異なりますが、今年10月に宗像ユリックスで公開収録予定のテレビ朝日、題名のない音楽会では、観覧者の募集、会場の手配、ロケ地の調整、宿泊場所の紹介を、来年、令和7年2月に宗像ユリックスで公開収録予定のテレビ東京、開運なんでも鑑定団では、お宝の募集、観覧者の募集、会場の手配を行うなど、公開収録やロケーションに対しては、市として積極的に支援・協力を行い、シティプロモーションやまちの活性化につなげております。

(4)いわゆる「聖地巡礼」による地域活性化について市はどのように認識しているか。市ゆかりの漫画、小説などはどのようなものがあるか。
答弁 
マンガ・アニメ・映画などのファンが作品に描かれた場所に実際に訪れる聖地巡礼は、一定の経済効果が生まれ、地域活性化にもつながるものであると認識しています。市の施策として意図的に聖地をつくり出すことはなかなか難しいことですが、今後、映画やドラマ・漫画等の舞台として本市が取り上げられ、話題となり、聖地となるような兆しがあれば、市として前向きに対応したいと考えています。次に、本市ゆかりの漫画、小説等の作品ですが、星野之宣さんの漫画、宗像教授シリーズや、松本清張さんの小説、渡された場面、浅葉なつさんの小説、神様の御用人、花田勝弘さんの郷土史、出光佐三と宗像などがあります。また、令和4年には、宗像市出身のラッパーRin音さんが作詞作曲し、宗像市観光大使、ばってん少女隊が歌う虹ノ湊が、一部市内で撮影されたミュージックビデオとともにリリースをされております。

(5)市立中学校文化部活動の地域移行の現状と課題、今後の対応は。
答弁 
現在、市が主催し、グローバルアリーナが企画・運営しているむなかたアカデミークラブのスキルアップ教室で、希望する吹奏楽部の中学生を受け入れ、令和6年度前期で25人が参加しています。課題として、吹奏楽部の地域移行においては、楽器などの運搬の問題や中学生の送迎を含めた活動場所の問題等があります。また、吹奏楽部だけでなく、他の文化部活動についても地域移行の検討を進める必要があると考えています。今後の対応としては、現在、令和7年4月からの吹奏楽部の地域移行に向け、むなかたアカデミークラブに代わり、公益財団法人宗像ユリックスがコーディネーターの役割を担う、市主催の吹奏楽地域クラブの立ち上げの準備を行っています。さきに述べました課題を踏まえ、吹奏楽については、中学校の音楽室での実施を検討しており、今後、中学校の吹奏楽部、宗像市吹奏楽協会、宗像ユリックス等の関係団体との協議を進めてまいります。あわせて、中学校の美術部につきましても、令和6年度中の地域移行に向けた試験的な取組の実施に向け、福岡教育大学、宗像ユリックスと協議を重ねています。

追加質問 教員の負担軽減の観点からは、アカデミークラブによる週末の地域移行は評価するが、先ほどの実際の参加人数を考慮すると、練習機会の減少となっているのではないか。特に夏の吹奏楽コンクールに向けた練習が取り組みづらくなったという話を聞いている。地域クラブの中学校の音楽室での実施を検討するに当たり、校舎への出入り、楽器の保有・管理など様々な課題が考えられる。これについてどのように対応していくのか。また、全ての学校で地域クラブを行うのか。
答弁 
中学校部活動につきましては、毎月第1、第3土曜日と、それらに続く日曜日が休養日となっておりますため、部活動自体の活動日数は減少しております。この休養日による練習機会の減少を補うために、むなかたアカデミークラブの吹奏楽については、部活動休養日に合わせて、スキルアップ教室という形で、毎月第1、第3土曜日に東海大福岡高校を会場に実施をしているところです。令和6年度、今年度後期につきましては、各中学校吹奏楽部の生徒21人が参加しておりますが、各中学校の吹奏楽部の顧問の先生を通じて部員の皆さんに参加の呼びかけを行うなどし、より多くの方に今後参加していただき、練習機会の確保につなげていければと考えております。また、先ほど答弁しましたとおり、令和7年度から、公益財団法人宗像ユリックスが企画・運営を担う吹奏楽クラブの立ち上げを進めますが、より参加しやすい、活動しやすい仕組みづくりを今後行ってまいります。
次に、中学校校舎への出入りにつきましては、指導者による鍵の開け閉めと、例えば、城山中学校の新校舎に導入した、区画ごとに設定が可能な警備システムの導入を検討しております。楽器につきましては、当面は現状のとおり中学校備品を借用したいと考えております。また、全ての中学校で地域クラブを行うかについては、市が主催するむなかたアカデミークラブは、拠点校に中学生を集めて実施しており、吹奏楽部につきましても、同様に拠点校を設けて実施する予定です。なお、自主自立のクラブにつきましては、クラブの運営方針に応じて、拠点校以外の中学校でも活動することを想定して準備を整えたいと思っております。

(6)市内の福岡教育大学(美術専攻・音楽専攻)や近隣の九州産業大学(芸術学部)など文化芸術における大学との連携の取組は。
答弁 一つは、大学生の力によるまちの課題解決プロジェクトにおいて、福岡教育大学や九州産業大学の協力により、市民によるアート展の支援や小学生を対象としたワークショップの実施等の取組を行っています。また、むなかた子ども大学の講座の画家コースや中学校美術部の地域移行において、福岡教育大学と連携して取り組んでいるところです。さらに、宗像ユリックスでは、福岡教育大学と連携し、ロビーでの作品展示や合同展示会を行っています。今後とも大学と連携し、文化芸術の推進を図ってまいります。

(7)宗像偉人マンガ「出光佐三」が出版されたが、宗像出身の画家、中村研一、中村琢二兄弟の功績を市はどのように評価し、市民に伝えているか。また、令和6年12月に福岡県立美術館で展覧会「中村研一と中村琢二」が開催されるが、これに関する市の対応は。
答弁 中村研一氏、琢二氏は、共に日本画壇における近代洋画家の巨匠であり、宗像市の誇りです。そのため、お二人のすばらしい作品や業績を多くの市民の皆様に知っていただけるよう、平成21年から平成30年までの10年間、10回にわたって宗像ユリックスで、大きなクスの木の下で美術展を開催しました。また、平成30年には、没後50年中村研一展を開催するとともに、関連企画として、アートボランティアの方々に中村研一氏の作品をイベントホール搬入口に描いていただきました。近年では、令和4年に中村琢二展を開催しています。次に、福岡県立美術館での展覧会への対応ですが、本市からも、母と子、セロを弾く男など、中村琢二氏の作品11点を出品します。また、市民に対しては、広報紙やSNS等によって周知を図ることとしております。
追加質問 中村研一・琢二生家美術館と市の連携は。
答弁 
中村研一・琢二生家美術館との連携につきましては、これまで宗像ユリックスの展覧会での絵の借用ですとか、生家美術館館長による中村研一氏、琢二氏のエピソードを披露するギャラリートークの開催等を行っております。ただ、コロナ禍の中で、そういった関係が最近ちょっと途絶えているというような状況でございます。
追加質問 中村研一、琢二兄弟作品の収集をもっと積極的に進めることはできないか。
答弁 
中村研一氏、琢二氏の作品の収集ということでございますが、この件につきましては、所有者等から御相談があれば検討させていただきたいと考えております。収集した作品の活用方法を明確にする必要があるということ、また、寄贈を除きまして、作品を購入する場合には当然予算が必要になってまいります。作品を保有いたしますと、保管には適切な温度や湿度の管理、地震対策、防虫対策等を取った保管庫を整えるといった必要もございまして、そのために必要な経費というのもかかってまいりますので、そういったものを考慮しつつ、判断していきたいと思っております。

一般質問通告書
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