令和6年第2回宗像市議会定例会で「人口減少社会・少子化対策にどう取り組むのか」の中で離島振興に関する質問を行いました。
令和6年第2回宗像市議会定例会発言より
(質問)大島、地島の離島振興のため、どのような対策を行うのか
(答弁) 離島における人口減少・少子化対策につきましては、離島振興計画の取組基本方針に定めているとおり、基幹産業の水産業でつくり育てる漁業の推進や特産品の開発支援などを行いながら、島の資源を生かした観光事業や、デジタル技術を活用した勤務地に捉われない職種の誘致など、新たな産業の活性化に取り組んでいます。
その中で、外部の人材の積極的な活用を図りながら、交流人口、関係人口の増加を図ることで、移住・定住につなげてまいりたいと考えます。 今年度大島で行います保育園留学につきましては、そういった勤務地にとらわれない職種の方々に、お子さんと共に一定期間島の暮らしを体験してもらいながら、交流関係人口の増加を目的としています。
(質問)島民の方及び観光客の方の利便性向上のために、コンビニエンスストアの誘致、または市での開設を検討できないか。
(答弁) コンビニエンスストアの開設につきましては、現在市が主体で運営をするという方針はございませんけれども、令和3年度末から4年度にかけまして、フランチャイジーとして店舗運営を希望しておりました当該事業者と、フランチャイザーであるコンビニエンスストアの本部企業と、市の3者で大島での出店の可能性につきまして協議を進めておりました。
当時は、輸送費の負担が大きいことに加えまして、物資の円滑な流通の視点で、車両の運搬から渡船に積載する際の保管用冷蔵冷凍庫の設置場所、管理方法、また渡船への積載手段などが課題として挙がりまして、それぞれの役割分担で課題が解消できないかなど様々な検討をいたしましたが、不調に終わった経緯がございます。
しかしながら、最近になりまして、当時折衝を行っておりましたコンビニエンスストアの本部企業側から、改めて情報交換の場を持ちたいとの連絡がありましたので、協議を再開してまいりたいと考えております。
(質問)地島には光回線がないと聞いている。地島の通信環境の改善、そして災害時の対応のために、大島、地島に衛星通信回線であるスターリンクを公共施設等に導入すること、及び個人宅への導入補助をすることを検討できないできないか。
(答弁) これにつきましては、以前にも答弁いたしましたけれども、大島では既に海底ケーブル等の設備が整備されておりましたので、令和2年度からほぼ島内全域で光回線の利用が可能になりました。一方、地島では同様の仕組みでは大きなコストがかかるため、議員御紹介の衛星通信サービスなど、他サービスに注目しているところです。
以前から進展したこととして、衛星通信サービスにつきましては、大手通信事業者も参入を始めまして、法人向けだけではなくて、個人向けサービスも、日本各地で利用が可能となってきています。ただし、サービス提供が始まったばかりであり、地形やアンテナの設置などに条件等がありますため、まずは公共施設での設置可能性、有用性を担当部署と検討するとともに、地島での個人利用の導入にどういう障壁があるかなどを研究してまいりたいと考えます。
(要望)今、5Gなどの携帯電話の回線も、かなりスピードが速くなっているところですが、離島の、もし災害時に通信環境が途絶えるとか、絶対あってはいけないことだと思います。今年の能登半島沖地震で、非常に携帯電話の基地局とか被害を受けて、その対応のために、このスターリンクが導入されたということも聞いております。
今回市で、電源車にもなるハイブリッド車を多数購入されておりますが、そのハイブリッド車にこのスターリンクを積んでいると、どんな災害が起きたときでも、その車が発電して、このスターリンクで電波を受信すれば、通信環境は確保ができるかと思います。今後そういったものをぜひ検討していただきたいと思います。
(質問)離島の振興については、子育て世代、若い、お子さんがいる世帯に向けてアピールをしなければいけないと考える。島内での保育環境の充実が大変重要である。特に、大島、地島は、実質的には認可保育園が利用できず、島内では預けられないという状況になっている。本土と格差が生じている大島での2歳未満の保育、地島での3歳未満の保育に関して、どのように考えているのか。
(答弁) 離島の幼児教育につきましては、人材確保等の課題があることから、それぞれの島の状況を勘案しつつ、事業者とも協議しながら検討を行う必要があると考えております。 その結果、大島では、令和5年4月から1歳児からの一時預かり事業を開始しております。
現在島民の利用はございませんが、保育園留学など、島外の方からの申込みや問合せは増えておりますので、離島振興の取組と絡めながら、産業振興部とも連携して事業を推進してまいりたいと考えております。
(要望)ゼロ歳児から預けるというのが、本土では当たり前のことになっております。仮に在宅勤務等であっても、やっぱり子どもの面倒を見ながら仕事をするというのは非常に困難だと思います。逆に、本土に対して、若干その辺りが不足している分が、また子育て世代にとっては、ちょっと厳しい部分ではないかと思いますので、需要があるのか、人材の確保ができるのかという問題はあるんですが、まずは体制を整備して需要を掘り起こすと、そういった考え方も大事ではないのかということです。今後も大島、地島の保育環境の充実をお願いしたい。