第74回“社会を明るくする運動”~犯罪や非行を防止し、立ち直りを支える地域のチカラ~
大変痛ましい事件が起きました。大津市の保護司の方が、支援していた保護観察中の容疑者から殺害されました。謹んでご冥福をお祈りいたします。法務省によると、保護司が保護観察対象だった人物に殺害された事件は1964年に起きたが、それ以降はないとのことです。保護観察の件数からいえば、本当にまれな事件なのですが、社会や更生保護に関わられている方々に与えた影響はとても大きいと思います。自身も保護司であり、保護観察所よりこの事件についてのフォローがありました。今後も与えられた役割を果たしていきたいと思います。
地区の保護司会で保護司の皆さんと様々な交流がありますが、本当にみなさんいい方ばかりです。これまでのご経験を生かして真摯に更生保護活動に取り組まれています。大変な役割ではありますが、こういう方々と一緒に活動ができることはとても心強いと思います。仕事はそれ自体の難易度もありますが、どういう方々と一緒にするかがとても大きいと思います。
来月7月は ”社会を明るくする運動” 協調月間・再犯防止啓発月間です。宗像保護区保護司会での街頭啓発活動や作文コンテスト等に取り組んでいます。犯罪や非行のない安全で安心な明るい地域社会を築くために活動していきます。
令和3年3月議会で、「犯罪のない安全安心なまちづくりに向けて」宗像市の再犯防止の観点から、更生保護の意義や保護司の役割、再犯防止推進計画についての見解を質問しています。
宗像市議会 令和3年第1回定例会 一般質問会議録より
宗像市における犯罪発生件数は近年減少しているものの、全国的にみると刑法犯検挙者における再犯者の割合は依然として高い状態が続いており、犯罪のない安全安心なまちづくりは再犯の防止が非常に重要となっている。平成28年12月に成立、施行された再犯の防止等の推進に関する法律(再犯防止推進法)においては、再犯の防止等に関する施策を策定・実施する責務が国だけでなく、地方公共団体にもあることが明記されるとともに、都道府県及び市町村に対して、国の再犯防止推進計画を勘案し、地方再犯防止推進計画を策定する努力義務が課された。犯罪や非行をした者の中には、貧困や疾病、厳しい生育環境等、様々な生きづらさを抱え、立ち直りに多くの困難を抱える者が少なくない。しかし、こうした生きづらさを抱える犯罪をした者等の課題に対応し、その再犯を防止するためには、刑事司法関係機関による取組だけではその内容や範囲に限界があり、社会復帰後、地域社会で孤立させない支援等を、国、地方公共団体、民間団体等が緊密に連携協力して実施する必要がある。特に地域社会で生活する犯罪をした者等に対する支
援に当たっては、福祉、医療、保健などの各種サービスを提供する自治体の役割が 極めて重要である。そこで、以下の項目について伺う。
質問(1)再犯防止の観点から、市は更生保護の意義や保護司の役割をどのように考えているか。
答弁(1)更生保護の意義や保護司の役割に対する市の考えについて答弁します。更生保護とは、犯罪や非行を犯した人が罪を償い、社会の一員として再出発しようとする人たちの立ち直りを導き、助け、再び犯罪や非行に陥るのを防ぐことで地域社会の安全と安心を守るものであり、大変重要な仕組みであると考えております。あわせて、更生しようとする人たちも社会の一員であり、その方たちの人権を守り、排除しない社会を構築することは、再犯防止による社会復帰と自立を助けることにつながるものであり、その意味においても更生保護の仕組みは意義あるものであると考えております。この仕組みを支えている保護司の皆様には、社会奉仕の精神による再犯防止に向けた活動や社会を明るくする運動等を通じて、市の安全安心なまちづくりに多大なる御貢献をいただいており、市として改めて心より敬意を表しますとともに感謝を申し上げるところでございます。引き続き、本市が進める一人一人の人権が尊重されるまちづくり、安全安心なまちづくりに向けて、市と保護司会との連携を進めていきたいと考えております。
質問(2)自治体において再犯防止推進計画の策定が努力義務となっているが、安全安心なまちづくりを進めるに 当たり 、本市の再犯防止推進計画についての見解は。
答弁(2)議員御指摘のとおり、再犯の防止等の推進に関する法律におきまして、都道府県及び市町村は地方再犯防止推進計画を定めるよう努めなければならないと定められております。昨年10月時点におきまして、特別市を含む全国の市町村では34の団体が計画を策定しており、九州では唯一春日市が計画を策定している状況でございます。現在、市では再犯防止推進計画は策定しておりませんが、再犯防止に向けた取組の意義等に鑑み、今後、県内や近隣自治体の状況も勘案しながら、計画策定の検討を行いたいと考えておる次第でございます。